面積分で n dS が外積になるのはなぜか

基礎

面積分を勉強していると、

ndS=(ru×rv)dudv\mathbf{n}\,dS = \left(\frac{\partial \mathbf{r}}{\partial u}\times\frac{\partial \mathbf{r}}{\partial v}\right)\,du\,dv

という式が出てきます。

最初は公式として受け入れるだけでも計算はできますが、

なぜ法線ベクトルと外積がここで出てくるのか

が見えると、面積分の意味がかなり分かりやすくなります。

この記事では、その理由を図形的な見方から整理します。

1. 曲面を小さく見る

曲面が

r(u,v)\mathbf{r}(u,v)

でパラメータ表示されているとします。

このとき、uu を少しだけ動かし、さらに vv も少しだけ動かすと、曲面上のごく小さな部分ができます。

曲面は十分小さく見ればほとんど平面のように見えるので、その小片は

  • uu 方向の小さな辺
  • vv 方向の小さな辺

で張られた平行四辺形とみなせます。

2. 2 本の辺ベクトル

uu を少しだけ dudu 動かしたときの変化は、およそ

rudu\mathbf{r}_u\,du

です。

同様に、vv を少しだけ dvdv 動かしたときの変化は

rvdv\mathbf{r}_v\,dv

です。

したがって曲面の微小部分は、近似的に

rudu,rvdv\mathbf{r}_u\,du,\qquad \mathbf{r}_v\,dv

という 2 本の辺で張られる平行四辺形になっています。

3. 面積が外積で表される理由

平行四辺形の面積は、2 本の辺ベクトルの外積の大きさで与えられます。

したがってこの微小部分の面積は

(rudu)×(rvdv)=ru×rvdudv\left\lVert (\mathbf{r}_u\,du)\times(\mathbf{r}_v\,dv) \right\rVert = \|\mathbf{r}_u\times\mathbf{r}_v\|\,du\,dv

です。

つまり

dS=ru×rvdudvdS=\|\mathbf{r}_u\times\mathbf{r}_v\|\,du\,dv

となります。

ここで重要なのは、外積が単に面積を出すだけでなく、向きも持っていることです。

4. 法線方向も同時に出てくる

外積

ru×rv\mathbf{r}_u\times\mathbf{r}_v

は、

  • 大きさは平行四辺形の面積
  • 向きはその平面に垂直な法線方向

を持っています。

つまりこれは、面積と向きをまとめたベクトルです。

一方で

ndS\mathbf{n}\,dS

も、

  • n\mathbf{n} が法線方向
  • dSdS が面積

を表しているので、やはり「向きを持った面積」を表しています。

したがって

ndS=(ru×rv)dudv\mathbf{n}\,dS = (\mathbf{r}_u\times\mathbf{r}_v)\,du\,dv

という式は、とても自然です。

5. 面積分の式がどう出るか

ベクトル場 F\mathbf{F} があるとき、その微小部分をどれだけ通り抜けるかは

F(ndS)\mathbf{F}\cdot(\mathbf{n}\,dS)

で表されます。

上の式を使えば

F(ndS)=F((ru×rv)dudv)\mathbf{F}\cdot(\mathbf{n}\,dS) = \mathbf{F}\cdot \left( (\mathbf{r}_u\times\mathbf{r}_v)\,du\,dv \right)

ですから、面全体で足し合わせると

SFndS=DF(r(u,v))(ru×rv)dudv\iint_S \mathbf{F}\cdot\mathbf{n}\,dS = \iint_D \mathbf{F}(\mathbf{r}(u,v))\cdot (\mathbf{r}_u\times\mathbf{r}_v)\,du\,dv

が得られます。

つまり面積分の式は、特別なトリックではなく

  • 曲面を小さな平行四辺形に分ける
  • 各小片を通る流れを足す

という考え方をそのまま書いたものです。

6. まとめ

重要なのは、

  • 曲面の微小部分は rudu\mathbf{r}_u\,durvdv\mathbf{r}_v\,dv で張られる平行四辺形に近い
  • その面積は ru×rvdudv\|\mathbf{r}_u\times\mathbf{r}_v\|\,du\,dv
  • 外積は面積だけでなく法線方向も持つ
  • だから ndS=(ru×rv)dudv\mathbf{n}\,dS=(\mathbf{r}_u\times\mathbf{r}_v)\,du\,dv となる

という点です。

この見方が入ると、面積分の公式はかなり自然に見えるようになります。

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