虚数とは何か?i の意味をゼロからわかりやすく解説
数学で
という記号を見ると、 多くの人がここで一度止まります。
- マイナスの平方根って何?
- そんな数は本当にあるの?
- 「虚数」と言われると、むしろ怪しく見える
という感覚です。
たしかに、今まで見てきた数だけを使うと、 これは急に不思議な話に見えます。
この記事では、虚数を
「変な記号」ではなく、今までの数の世界を自然に広げたもの
として順番に見ていきます。
1. なぜ虚数が必要になるのか
まず、次の方程式を考えます。
これは
と解けます。
では次はどうでしょうか。
この式を満たす実数はあるでしょうか。
実数では、
- 正の数を2乗すると正
- 負の数を2乗しても正
- 0 を2乗すると 0
です。
つまり、実数を2乗して -1 になることはありません。
したがって
実数の世界だけでは、 は解けない
ことになります。
整数では割り算がいつもできないので分数を作り、 分数でも を表せないので無理数を考えたように、 ここでも
「2乗すると -1 になる数」を新しく導入しよう
と考えるわけです。
2. 虚数単位 i を定義する
そこで、数学では
を満たす新しい数 を導入します。
これを 虚数単位 と呼びます。
つまり
と考えることができます。
この を使えば、さきほどの
は
と書けます。
ここで大切なのは、
虚数は「適当に作った記号」ではなく、解けなかった方程式を解けるようにするための拡張
だということです。
3. 虚数はどんな数なのか
虚数という言葉だけを見ると、 「実在しない数」という意味に聞こえるかもしれません。
でも実際には、
実数とは違うルールで動く、新しく導入した数
と考えるほうが正確です。
例えば については
が基本ルールです。
これを使うと、
となります。
したがって、 の累乗は
という4つの値を周期的に回っていきます。
4. 実数と虚数を合わせたものが複素数
虚数は、ふつう単独で終わるより
という形で使われます。
ここで
- は実数
- も実数
です。
この形の数を 複素数 と呼びます。
例えば
- (これは と見なせます)
- (これは と見なせます)
はすべて複素数です。
つまり複素数とは、
実数と虚数をまとめて入れた、より広い数の世界
なのです。
この見方をすると、実数は複素数の一部だと分かります。
5. 複素数の計算はどうするのか
複素数の計算では、 を使いながら普通に展開します。
例えば
なら、実部どうし・虚部どうしをまとめて
です。
掛け算も同じです。
を展開すると
ここで なので
となります。
つまりポイントは
最後に を見つけたら に置き換える
ことです。
6. なぜこんな数を学ぶのか
虚数は、 最初は「方程式のために無理やり作った数」に見えるかもしれません。
しかし実際には、 複素数まで広げることで数学はとても自然になります。
例えば
- 2次方程式の解を統一的に扱いやすくなる
- 三角関数や指数関数との深い関係が見えてくる
- 波や回転をきれいに表せる
といった利点があります。
高校数学ではまず
実数では解けなかった方程式を解けるようにするために、虚数が導入された
という出発点を押さえれば十分です。
まとめ
虚数は、
のような 実数では解けない方程式 を解くために導入された数です。
その基本になるのが
を満たす 虚数単位 です。
そして
という形の数全体を 複素数 と呼びます。
つまり、
虚数とは、実数の世界を壊すものではなく、実数の世界を自然に広げたもの
なのです。
虚数が分かると、これまで別々に見えていた
- 方程式
- 三角関数
- 指数関数
が、あとで一気につながって見えてきます。