マイナス×マイナスはなぜプラスになるのか?
数学を勉強していると、
と習います。
でも、多くの人がここで一度つまずきます。
- プラスとマイナスでマイナスになるのは分かる
- マイナスとマイナスで、なぜ急にプラスになるのか分からない
という感覚です。
たしかに、
「そういうルールだから」と言われても、あまり納得できない
ところがあります。
この記事では、 マイナス×マイナスがプラスになるのは単なる暗記ではなく、 これまでの計算ルールを壊さないために必要な結果 だという流れで考えていきます。
1. なぜ不思議に感じるのか
たとえば正の数どうしの掛け算では、
です。
また、
や
も、 そこまで変な感じはしません。
でも
になると、 急に「なぜプラスになるの?」と思います。
ここで大事なのは、
負の数が出てきても、今までの計算ルールはそのまま守りたい
ということです。
たとえば
- 足し算のルール
- 引き算のルール
- 分配法則
が、負の数に入った瞬間に壊れてしまうと困ります。
だから数学では、
正の数で成り立っていたルールを、負の数までそのまま広げる
という考え方をします。
すると、 マイナス×マイナスの答えも自由には決められません。
2. カギになるのは分配法則
ここで使うのが 分配法則 です。
というルールです。
これは小学校や中学校で出てくる、 とても基本的なルールです。
たとえば
なので
となり、
たしかに両方とも になります。
このルールは、 負の数が出てきても同じように成り立ってほしいはずです。
3. まず負×正を決める
いきなり
を見る前に、 まず
を考えます。
ここで
なので、
です。
これに分配法則を使うと、
だから
です。
この式を満たすには、
でなければなりません。
つまり、
今までのルールを守るなら、マイナス×プラスはマイナスになる
と決まります。
4. 次に負×負を決める
次に本題の
を考えます。
ここでも同じように
を使います。
すると
です。
一方、分配法則を使うと
です。
さきほど
と分かっているので、
となります。
これを満たすには
でなければなりません。
つまり、
分配法則を壊さないためには、マイナス×マイナスはプラスになるしかない
のです。
5. 負×負を負にするとどうなるか
では逆に、
だったとすると何が起きるでしょうか。
さきほどの分配法則の式
に代入すると、
となってしまいます。
つまり
というおかしな式が出てきます。
これは明らかに矛盾です。
したがって、
負×負を負にすると、これまでの計算ルールが壊れてしまう
のです。
6. ただの暗記ルールなのか?
ここまで見ると、 「結局ルールを選んだだけでは?」と思うかもしれません。
ある意味では、 最初に負の数を導入した時点で ルールをどう広げるかを決めている、という面はあります。
ただし重要なのは、
何でも好きに決められるわけではない
ということです。
今まで使ってきた
- 分配法則
- 足し算と掛け算の関係
- 数の規則性
を保とうとすると、
とする以外に、ほとんど余地がありません。
つまり、
「勝手に決めた」というより、「自然にそう決まってしまう」
というほうが近いです。
まとめ
マイナス×マイナスがプラスになるのは、 ただの変な暗記ルールではありません。
ポイントをまとめると、
- 正の数で使っていた分配法則は、負の数でも守りたい
- そのルールを使うと、まずマイナス×プラスはマイナスと決まる
- さらに同じルールを使うと、マイナス×マイナスはプラスと決まる
という流れから、
が出てきます。
つまり、
マイナス×マイナスは、プラスになるようにしたというより、プラスでないと計算のルールがこわれる
のです。
こういう話を見ると、 数学のルールはバラバラに暗記するものではなく、 全体がきれいにつながるようにできているのだと分かります。