高校数学の数列において、多くの受験生が苦手意識を持つ「漸化式」。
前回の「基礎編」では、全15パターンのうち「引き算」や「掛け算」を駆使して基本形に持ち込む7つの型を攻略しました。
引き算で邪魔な定数や $n$ の式を消す感覚は掴めました!でも、右辺が分数だったり、掛け算ばかりの式はどうすればいいですか……?
そこからが漸化式の本当の面白さです!引き算で太刀打ちできない相手には、「両辺を割る」「対数や逆数をとる」というさらに強力な武器を使って、私たちが知っている『基本形』へと強制的にすり替えていきます。
本記事では、難関大入試で頻出となる**【グループE・F・G】の残り8パターン**について、一切の行間を省略しない解説をお届けします。
まずは前回のおさらいも兼ねて、全15パターンの全体地図となる早見表から確認していきましょう。
漸化式 全15パターン早見表(★が本記事の解説範囲)
| グループ | No. | パターン名 | 式の形 | 解法の最初の一手 |
|---|
| A: 基本 | 1 | 等差型 | an+1=an+d | 公式 an=a1+(n−1)d |
| 2 | 等比型 | an+1=ran | 公式 an=a1rn−1 |
| 3 | 階差型 | an+1=an+f(n) | 公式 an=a1+∑f(k) |
| B: 階比 | 4 | 階比型 | an+1=f(n)an | 縦に並べて掛け合わせ、ナナメに約分 |
| C: 特性 | 5 | 特性方程式型 | an+1=pan+q | α=pα+q を解いて引く |
| D: ズラす | 6 | 多項式型(1次) | an+1=pan+qn+r | n→n+1 にズラした式と引く |
| 7 | 和 Sn 混在型 | Sn=pan+q | n→n+1 にズラした式と引く |
| E: 割る | ★8 | 指数型 | an+1=pan+qn | 両辺を qn+1 で割る |
| ★9 | 分数係数型 | an+1=f(n)f(n+1)an | 両辺を f(n+1) で割る |
| ★10 | クロス係数型 | f(n)an+1=f(n+1)an+q | 両辺を f(n)f(n+1) で割る |
| F: 置換 | ★11 | 累乗・対数型 | an+1=panq | 両辺の log をとる |
| ★12 | 基本分数型 | an+1=pan+qran | 両辺の「逆数」をとる |
| ★13 | 1次分数型 | an+1=pan+qran+s | 特性方程式を解いてから逆数をとる |
| G: 連立 | ★14 | 隣接3項間型 | an+2+pan+1+qan=0 | x2+px+q=0 を解く |
| ★15 | 連立漸化式 | an+1=pan+qbn | 足し引き or 代入して隣接3項間へ |
【グループE】「両辺を割って塊を作る」3型
右辺に指数や掛け算の塊がある場合、そのまま引き算をしても消すことができません。このグループの鉄則は、両辺を特定の式で割り算し、同じ形をした「塊(かたまり)」を無理やり作り出すことです。
8. 指数型: an+1=pan+qn
■ 見分け方のポイント
特性方程式型の末尾の定数だった部分が、qn のような指数の形になっているパターンです。
an+1=3an+2n のように、おしりに n 乗がくっついていたらこの型です。
■ 解法
邪魔な qn は、両辺を割り算することで処理します。
- 両辺を qn+1 で割る:邪魔な指数と同じ底を持つ qn+1 で両辺を割ります。(qn で割る解法もありますが、qn+1 の方がミスが減るため推奨です)
- qnan を塊と見る:約分をして形を整え、bn=qnan と置き換えます。
- 特性方程式型として解く:置き換えた式は必ず特性方程式型(グループC)になるので、解いてから元の an に戻します。
■ 【例題】
a1=1,an+1=3an+2n
■ 【解法ステップ】
STEP 1:両辺を 2n+1 で割る
右辺の 2n を処理するため、両辺を 2n+1 で割ります。
2n+1an+1=2n+13an+2n+12n
STEP 2:形を整え、塊を置き換える
右辺の第1項の分母を 2×2n と分解し、第2項の分数を約分します。
2n+1an+1=23⋅2nan+21
ここで、bn=2nan と置くと、式は次のように綺麗な特性方程式型に変わります。
bn+1=23bn+21
STEP 3:特性方程式型として解く
特性方程式 α=23α+21 を解くと、−21α=21 より α=−1 となります。これを引きます。
bn+1−(−1)=23(bn−(−1))⟹bn+1+1=23(bn+1)
数列 {bn+1} は公比 23 の等比数列です。
初項 b1 は b1=21a1=21。よって等比数列の初項は b1+1=21+1=23 です。
bn+1=23⋅(23)n−1=(23)n⟹bn=(23)n−1
最後に bn=2nan だったので、両辺に 2n を掛けて元に戻します。
2nan=(23)n−1⟹an=2n{(23)n−1}=2n⋅2n3n−2n=3n−2n
💡 なぜこれで解けるのか
an と 2n が混ざっていると計算できませんが、「両辺を割る」ことで 2nan という「変数だけの塊」と、「23」や「21」といった「ただの定数」に分離することができます。これが割り算の最大の魔法です。
⚠️ 注意ポイント
最後に 2n を掛け直す際、分配法則を忘れて an=3n−1 としてしまうミスが多発します。右辺全体に 2n を掛けることを忘れないようにカッコをつけましょう。
【答え】 an=3n−2n
9. 分数係数型: an+1=f(n)f(n+1)an
■ 見分け方のポイント
an の前に、分母が n の式、分子が n+1 の式 になっている分数が係数としてついている形です。
■ 解法
階比型(グループB)として縦に並べて掛けても解けますが、「割って塊を作る」視点を持つと一瞬で解けます。
- 両辺を分子 f(n+1) で割る:分子にある式で両辺を割ります。
- 定数数列として解く:f(n)an という塊ができるので、それを解きます。
■ 【例題】
a1=1,an+1=n+1n+2an
■ 【解法ステップ】
STEP 1:両辺を分子で割る
右辺の分子にある n+2 を消すため、両辺を n+2 で割ります。
n+2an+1=n+1an
STEP 2:定数数列として解く
ここで bn=n+1an と置くと、式は次のようになります。
bn+1=bn
「次の項になっても値が全く変わらない」という意味なので、この数列はすべての項が初項 b1 と同じ値になる定数数列です。
初項 b1 を求めます。
b1=1+1a1=21
すべての n において bn=21 なので、元に戻します。
n+1an=21⟹an=2n+1
【答え】 an=2n+1
10. クロス係数型: f(n)an+1=f(n+1)an+q
■ 見分け方のポイント
左辺の an+1 には n の式が、右辺の an には n+1 の式がクロスして掛け算されている形です。
■ 解法
これも「割り算」で美しい塊を作ります。
- 両辺を f(n)f(n+1) で割る:両辺の係数の積で一気に割ります。
- 階差型として解く:f(n)an の塊ができ、基本の階差型(グループA-3)に帰着します。
■ 【例題】
a1=1,nan+1=(n+1)an+1
■ 【解法ステップ】
STEP 1:両辺を割る
左辺の n と右辺の n+1 を整理するため、両辺を n(n+1) で一気に割り算します。
n(n+1)nan+1=n(n+1)(n+1)an+n(n+1)1
それぞれの分数を約分します。
n+1an+1=nan+n(n+1)1
STEP 2:階差型として解く
bn=nan と置くと、式は次のように階差型になります。
bn+1=bn+n(n+1)1
階差数列の公式を使います。初項 b1=1a1=1。
n≥2 のとき、部分分数分解を利用します。
bn=b1+k=1∑n−1k(k+1)1=1+k=1∑n−1(k1−k+11)=1+{(11−21)+(21−31)+⋯+(n−11−n1)}=1+(1−n1)=2−n1=n2n−1
n=1 を代入すると 12−1=1 で一致。
bn=nan なので、両辺に n を掛けます。
nan=n2n−1⟹an=2n−1
【答え】 an=2n−1
【グループF】対数や逆数をとる「置き換え」3型
そのままではどう足掻いても計算が進まないため、「対数(log)」や「逆数」というフィルターを通して、全く別の見慣れた数列にすり替える応用パターンです。
11. 累乗・対数(積)型: an+1=panq
■ 見分け方のポイント
右辺が累乗になっている、あるいは掛け算だけで構成されている形です。
an+1=2an3 のように、足し算や引き算が一切存在しないのが特徴です。
■ 解法
対数(log)の性質「掛け算は足し算に」「累乗は前に出せる」を利用します。
- 両辺の対数をとる:底は問題の係数や初項に合わせて適切に選びます。
- 特性方程式型として解く:logan を塊と見ると、お馴染みの特性方程式型(グループC)になるので解き切ります。
■ 【例題】
a1=2,an+1=2an3(an>0)
■ 【解法ステップ】
STEP 1:両辺の対数をとる
初項も係数も 2 なので、底が 2 の対数を両辺にとります。
log2an+1=log2(2an3)
右辺を対数の性質で分解します。
log2an+1=log22+log2an3
log2an+1=1+3log2an
STEP 2:特性方程式型として解く
順番を入れ替え、bn=log2an と置くと、
bn+1=3bn+1
特性方程式 α=3α+1⟹α=−21 を解いて変形します。
bn+1+21=3(bn+21)
初項 b1=log2a1=log22=1。よって数列 {bn+21} の初項は 1+21=23。
bn+21=23⋅3n−1=23n
bn=23n−1
最後に bn=log2an なので、対数の定義(logpM=k⟺M=pk)から戻します。
log2an=23n−1⟹an=223n−1
【答え】 an=223n−1
12. 基本分数型: an+1=pan+qran
■ 見分け方のポイント
右辺が分数になっており、 分子が an の単項式(定数が足されていない) になっている形です。
■ 解法
分数は、分母に足し算があると分割できませんが、分子に足し算があれば分割できます。そこで「逆数」をとります。
- 両辺の逆数をとる:分母と分子をひっくり返します。
- 分数を分割する:右辺の分数をハート型に割り算して分割します。
- 特性方程式型として解く:an1 を塊として解きます。
■ 【例題】
a1=1,an+1=2an+3an
■ 【解法ステップ】
STEP 1:両辺の逆数をとる
an+11=an2an+3
STEP 2:分数を分割する
右辺をバラバラに分解します。
an+11=an2an+an3⟹an+11=2+3⋅an1
STEP 3:特性方程式型として解く
bn=an1 と置くと、
bn+1=3bn+2
特性方程式 α=3α+2⟹α=−1。
bn+1+1=3(bn+1)
初項 b1=a11=1 なので、b1+1=2。
bn+1=2⋅3n−1⟹bn=2⋅3n−1−1
最後に逆数をとって an に戻します。
an1=2⋅3n−1−1⟹an=2⋅3n−1−11
【答え】 an=2⋅3n−1−11
13. 1次分数型(最難関): an+1=pan+qran+s
■ 見分け方のポイント
分数型ですが、分子にも定数項 s が足されている形です。そのまま逆数をとっても分母に足し算が残って詰む、最難関パターンです。
■ 解法
分子の定数を消して、基本分数型(パターン12)に帰着させるという2段階の置き換えを行います。
- 特性方程式を解く:α=pα+qrα+s を解き、α を求めます。
- 両辺から α を引く:an+1−α を計算し、分子の定数を消滅させます。
- 逆数をとる:基本分数型になったので、逆数をとって解きます。
■ 【例題】
a1=3,an+1=an+14an−2
■ 【解法ステップ】
STEP 1:特性方程式を解く
α=α+14α−2⟹α(α+1)=4α−2⟹α2−3α+2=0
(α−1)(α−2)=0 より、α=1,2。今回は α=1 を使います。
STEP 2:両辺から α を引く
元の漸化式の両辺から 1 を引き算します。
an+1−1=an+14an−2−1=an+14an−2−(an+1)=an+13an−3=an+13(an−1)
これで分子の定数が消え、(an−1) という塊ができました。
STEP 3:逆数をとる
両辺の逆数をとります。
an+1−11=3(an−1)an+1
右辺の分子を、分母の (an−1) に無理やり合わせます。
an+1−11=3(an−1)(an−1)+2=31+32⋅an−11
bn=an−11 と置くと、bn+1=32bn+31。
特性方程式 β=32β+31⟹β=1。
bn+1−1=32(bn−1)
初項 b1=a1−11=3−11=21。よって b1−1=−21。
bn−1=−21(32)n−1⟹bn=1−21(32)n−1
元に戻します。
an−11=1−21(32)n−1⟹an−1=1−21(32)n−11
最後に 1 を右辺に移行して終了です。
【答え】 an=1+1−21(32)n−11
【グループG】複数の数列が絡む「連立・3項間」2型
いよいよ最後のグループです。an だけでなく an+2 や bn など複数の項が入り乱れるパターンです。
14. 隣接3項間型: an+2+pan+1+qan=0
■ 見分け方のポイント
an、an+1、an+2 の3つの項が1つの式に混在している形です。
■ 解法
2次方程式の解を利用して、2種類の「等比数列」を作り出します。
- 特性方程式を解く:an+2→x2、an+1→x、an→1 と置いた2次方程式を解き、2つの解 α,β を求めます。
- 2つの式を作る:解を使って、an+2−αan+1=β(an+1−αan) とその逆の式の2本を立て、それぞれ等比数列として解きます。
- 辺々を引き算する:求めた2つの式を縦に引き算し、an+1 を消去します。
■ 【例題】
a1=1,a2=4,an+2−5an+1+6an=0
■ 【解法ステップ】
STEP 1:特性方程式を解く
x2−5x+6=0⟹(x−2)(x−3)=0⟹x=2,3
解は α=2,β=3 です。
STEP 2:2つの式を作り、解く
【式1】 α=2 を左側に使う
an+2−2an+1=3(an+1−2an)
数列 {an+1−2an} は公比 3 の等比数列。
初項は a2−2a1=4−2=2。
an+1−2an=2⋅3n−1⋯①
【式2】 β=3 を左側に使う
an+2−3an+1=2(an+1−3an)
数列 {an+1−3an} は公比 2 の等比数列。
初項は a2−3a1=4−3=1。
an+1−3an=1⋅2n−1=2n−1⋯②
STEP 3:辺々を引き算する
①から②を縦に引き算します。
an+1−2an−)an+1−3anan=2⋅3n−1=2n−1=2⋅3n−1−2n−1
【答え】 an=2⋅3n−1−2n−1
15. 連立漸化式: an+1=pan+qbn
■ 見分け方のポイント
an と bn の2つの数列が、2つの式で互いに絡み合っている形です。
■ 解法
片方の文字を消去し、1つの数列についての「隣接3項間型(パターン14)」に持ち込んで倒します。
- bn= の形にする:第1式を変形して、bn を an の式で表します。
- 番号をズラす:1で作った式の n を n+1 にズラして bn+1= の形を作ります。
- 第2式に代入する:これらを第2式にすべて代入すると、bn が完全に消え、an の隣接3項間型になります。
■ 【例題】
a1=1,b1=1{an+1=2an+bnbn+1=an+2bn⋯①⋯②
■ 【解法ステップ】
STEP 1:bn= の形にする
①を変形して bn について解きます。
bn=an+1−2an⋯③
STEP 2:番号をズラす
③の n を n+1 に置き換えます。
bn+1=an+2−2an+1⋯④
STEP 3:第2式に代入する
③と④を、元の②の式に代入します。
an+2−2an+1=an+2(an+1−2an)
展開して整理します。
an+2−2an+1=an+2an+1−4an
an+2−4an+1+3an=0
これで隣接3項間型(パターン14)になりました。特性方程式 x2−4x+3=0 を解くと x=1,3。
【式1】
an+2−an+1=3(an+1−an)
a2=2(1)+1=3 より、初項は a2−a1=3−1=2。
an+1−an=2⋅3n−1⋯⑤
【式2】
an+2−3an+1=1(an+1−3an)
初項は a2−3a1=3−3=0。
an+1−3an=0⋯⑥
⑤から⑥を引くと、
2an=2⋅3n−1⟹an=3n−1
最後に③に代入して bn を求めます。
bn=3n−2⋅3n−1=3⋅3n−1−2⋅3n−1=3n−1
【答え】 an=3n−1,bn=3n−1
【番外編】隣接3項間漸化式のイレギュラー攻略
14-A. 隣接3項間(重解パターン): an+2−2pan+1+p2an=0
■ 見分け方のポイント
特性方程式 x2+px+q=0 を解いたとき、解が1つ(重解)になってしまうパターンです。
■ 解法
解が1つしかないため、an+2−αan+1=β(an+1−αan) の式が1本しか作れず、辺々を引き算して an+1 を消去する技が使えません。しかし、実はこれ、**「指数型(グループE-8)」**に変化するボーナス問題です。
- 1本だけ式を作る:重解 α を使って、作れる1本だけの等比数列の式を作ります。
- 階差数列を求める:その式を解くと、an+1−αan=(指数の式) になります。
- 指数型として割る:できた式は完全に「指数型(パターン8)」なので、両辺を αn+1 で割って解き切ります。
■ 【例題】
a1=1,a2=4,an+2−4an+1+4an=0
■ 【解法ステップ】
STEP 1:特性方程式を解き、式を1本立てる
x2−4x+4=0⟹(x−2)2=0⟹x=2 (重解)
この重解を使って式を変形します。
an+2−2an+1=2(an+1−2an)
STEP 2:等比数列として1回解く
数列 {an+1−2an} は公比 2 の等比数列です。
初項は a2−2a1=4−2=2。
an+1−2an=2⋅2n−1=2n
an+1=2an+2n
ここで引き算する相手がいなくなりますが、よく見てください。この式は**指数型(パターン8)**そのものです!
STEP 3:両辺を 2n+1 で割る
両辺を 2n+1 で割って塊を作ります。
2n+1an+1=2n+12an+2n+12n⟹2n+1an+1=2nan+21
bn=2nan と置くと、bn+1=bn+21。
これは公差 21 の等差数列です。初項 b1=2a1=21。
bn=21+(n−1)21=21n=2n
元に戻します。
2nan=2n⟹an=2n⋅2n=n⋅2n−1
【答え】 an=n⋅2n−1
14-B. 隣接3項間(定数項ありパターン): an+2+pan+1+qan=r
■ 見分け方のポイント
右辺が 0 ではなく、定数 r が存在している形です。
■ 解法
定数が邪魔で等比数列を作れないため、まずは**「定数消去(グループC)」**のアプローチをとります。
- 全体の特性方程式を解く:an+2,an+1,an をすべて同じ文字(α)に置き換えて定数を求める方程式を解きます。
- 全体をズラす:求めた α を使って bn=an−α と置き換えると、見事に右辺が 0 の普通の隣接3項間に生まれ変わります。
- 通常の3項間として解く:あとはパターン14の手順で解くだけです。
■ 【例題】
a1=1,a2=2,an+2−5an+1+6an=4
■ 【解法ステップ】
STEP 1:全体の特性方程式を解く
邪魔な右辺の 4 を消すため、すべてを α にしたダミーの方程式を解きます。
α−5α+6α=4⟹2α=4⟹α=2
STEP 2:全体から α を引いて置き換える
元の漸化式を次のように強引に変形します(展開すると元に戻ることが確認できます)。
(an+2−2)−5(an+1−2)+6(an−2)=0
ここで bn=an−2 という新しい数列を作ると、
bn+2−5bn+1+6bn=0
これで右辺が 0 の普通の隣接3項間(パターン14)になりました!
ただし、初項もズレることに注意してください。
b1=a1−2=−1,b2=a2−2=0
STEP 3:通常の3項間として解く
特性方程式 x2−5x+6=0⟹x=2,3。
【式1】
bn+2−2bn+1=3(bn+1−2bn)
初項は b2−2b1=0−2(−1)=2。
bn+1−2bn=2⋅3n−1⋯①
【式2】
bn+2−3bn+1=2(bn+1−3bn)
初項は b2−3b1=0−3(−1)=3。
bn+1−3bn=3⋅2n−1⋯②
①から②を引きます。
bn=2⋅3n−1−3⋅2n−1
最後に bn=an−2 だったので、+2 を右辺に戻して終了です。
【答え】 an=2⋅3n−1−3⋅2n−1+2
完結!全15パターン制覇の道
お疲れ様でした!基礎固め編から始まり、これにて大学受験に出題される「漸化式の全15パターン」の攻略が完了しました。
どんなに複雑な漸化式でも、結局私たちがやっていることは**「知っている基本形にどうやって変換するか」**というパズルに過ぎません。
- 邪魔な定数がある → 特性方程式で引く
- n の式がある → ズラして引く
- 余計な係数がある → 両辺を割る
- 形が複雑 → 対数や逆数をとって置き換える
この「式変形の目的」を理解しておけば、初見の問題でも計算の糸口が必ず見つかるはずです。公式をただ暗記するのではなく、手を動かしてこの流れを体に染み込ませてくださいね!