微分とは何か?変化率から理解する微分の意味
数学で微分という言葉が出てくると、急に難しく感じる人は多いと思います。
けれど、微分がやっていること自体は意外とシンプルです。
微分とは一言で言うと
ある瞬間に、どれくらいの速さで変化しているかを調べる方法
です。
たとえば
- 車の速度
- 水位の上がり方
- 人口の増え方
のように、「変化そのもの」ではなく 変化の速さ を知りたい場面があります。
この記事では、まず変化率から出発して、そこから微分がどう生まれるのかを順に見ていきます。
1. 変化率とは何か
まず、次のような関数を考えます。
この関数で、 から まで動いたとします。
すると
- のとき
- のとき
なので
- は 2 増えた
- は 8 増えた
ことになります。
このとき、1 増えるごとに平均してどれくらい が増えたかを見ると
です。
この
変化量 ÷ 入力の変化量
で求める値を、変化率と呼びます。
2. 平均変化率
一般に、関数 において
から までの変化率は
で表されます。
これを 平均変化率 と呼びます。
グラフで見ると、これは
2点を結ぶ直線の傾き
になっています。
この図では、放物線 上の 2 点 と を結ぶ赤い直線の傾きが 4 になっています。
つまり平均変化率は、グラフでは 割線の傾き として読めるわけです。
3. 瞬間の変化率
しかし、私たちが本当に知りたいのは、区間全体の平均ではなく
ある瞬間の変化の速さ
です。
たとえば車のスピードメーターが知りたいのは、「この 10 秒の平均速度」ではなく「今この瞬間の速度」です。
そこで今度は、同じ関数 の上で、点 に注目します。
4. 割線を接線に近づける
点 と、その少し離れた点 を結ぶことを考えます。
この 2 点を結ぶ割線の傾きは
になります。
つまり、2 点目が 1 離れていれば傾きは 5、0.5 離れていれば傾きは 4.5、0.1 離れていれば傾きは 4.1 です。
下のグラフでは、 を動かして 2 点目を に近づけられます。
このとき大事なのは、 を小さくすると、2 点を結ぶ赤い割線がどんどん 1 本の特別な直線に近づいていくことです。
この赤い直線が、点 における 接線 です。
つまり、瞬間の変化率とは
接線の傾き = 瞬間の変化率
ということです。
ここで使う 極限 の考え方にまだ慣れていない場合は、先にこちらを読んでみてください。
5. 微分の定義
この考え方を一般の関数 に広げると、点 における微分は
になります。
これは、「少しずらした点との平均変化率」を極限まで縮めて、瞬間の変化率にしたものです。
この値を 微分係数 と呼び、
のように書きます。
6. 微分が表すもの
微分が表しているのは
その点での変化の速さ
です。
たとえば
- 位置を微分 → 速度
- 速度を微分 → 加速度
になります。
この意味で、微分はただの計算テクニックではありません。
変化を細かく読むための道具
です。
まとめ
微分とは
瞬間の変化の速さを調べる方法
です。
流れをまとめると、
- まず 2 点の間の平均変化率を考える
- 次に 2 点を限りなく近づける
- その極限として接線の傾きを求める
という手順で微分にたどり着きます。
という式は、まさにその考え方をそのまま書いたものです。
この微分の考え方は
- 物理
- 経済
- 工学
など、いろいろな分野で使われています。