微分とは何か?変化率から理解する微分の意味

基礎

数学で微分という言葉が出てくると、急に難しく感じる人は多いと思います。

けれど、微分がやっていること自体は意外とシンプルです。

微分とは一言で言うと

ある瞬間に、どれくらいの速さで変化しているかを調べる方法

です。

たとえば

  • 車の速度
  • 水位の上がり方
  • 人口の増え方

のように、「変化そのもの」ではなく 変化の速さ を知りたい場面があります。

この記事では、まず変化率から出発して、そこから微分がどう生まれるのかを順に見ていきます。

1. 変化率とは何か

まず、次のような関数を考えます。

y=x2y=x^2

この関数で、x=1x=1 から x=3x=3 まで動いたとします。

すると

  • x=1x=1 のとき y=1y=1
  • x=3x=3 のとき y=9y=9

なので

  • xx は 2 増えた
  • yy は 8 増えた

ことになります。

このとき、1 増えるごとに平均してどれくらい yy が増えたかを見ると

9131=4\frac{9-1}{3-1}=4

です。

この

変化量 ÷ 入力の変化量

で求める値を、変化率と呼びます。

2. 平均変化率

一般に、関数 y=f(x)y=f(x) において

x=ax=a から x=bx=b までの変化率は

f(b)f(a)ba\frac{f(b)-f(a)}{b-a}

で表されます。

これを 平均変化率 と呼びます。

グラフで見ると、これは

2点を結ぶ直線の傾き

になっています。

この図では、放物線 y=x2y=x^2 上の 2 点 (1,1)(1,1)(3,9)(3,9) を結ぶ赤い直線の傾きが 4 になっています。

つまり平均変化率は、グラフでは 割線の傾き として読めるわけです。

3. 瞬間の変化率

しかし、私たちが本当に知りたいのは、区間全体の平均ではなく

ある瞬間の変化の速さ

です。

たとえば車のスピードメーターが知りたいのは、「この 10 秒の平均速度」ではなく「今この瞬間の速度」です。

そこで今度は、同じ関数 y=x2y=x^2 の上で、点 (2,4)(2,4) に注目します。

4. 割線を接線に近づける

(2,4)(2,4) と、その少し離れた点 (2+h,(2+h)2)(2+h,(2+h)^2) を結ぶことを考えます。

この 2 点を結ぶ割線の傾きは

(2+h)222h=4+4h+h24h=4+h\frac{(2+h)^2-2^2}{h} = \frac{4+4h+h^2-4}{h} =4+h

になります。

つまり、2 点目が 1 離れていれば傾きは 5、0.5 離れていれば傾きは 4.5、0.1 離れていれば傾きは 4.1 です。

下のグラフでは、hh を動かして 2 点目を (2,4)(2,4) に近づけられます。

このとき大事なのは、hh を小さくすると、2 点を結ぶ赤い割線がどんどん 1 本の特別な直線に近づいていくことです。

この赤い直線が、点 (2,4)(2,4) における 接線 です。

つまり、瞬間の変化率とは

接線の傾き = 瞬間の変化率

ということです。

ここで使う 極限 の考え方にまだ慣れていない場合は、先にこちらを読んでみてください。

寄り道

5. 微分の定義

この考え方を一般の関数 y=f(x)y=f(x) に広げると、点 x=ax=a における微分は

limh0f(a+h)f(a)h\lim_{h\to0}\frac{f(a+h)-f(a)}{h}

になります。

これは、「少しずらした点との平均変化率」を極限まで縮めて、瞬間の変化率にしたものです。

この値を 微分係数 と呼び、

f(a)f'(a)

のように書きます。

6. 微分が表すもの

微分が表しているのは

その点での変化の速さ

です。

たとえば

  • 位置を微分 → 速度
  • 速度を微分 → 加速度

になります。

この意味で、微分はただの計算テクニックではありません。

変化を細かく読むための道具

です。

まとめ

微分とは

瞬間の変化の速さを調べる方法

です。

流れをまとめると、

  • まず 2 点の間の平均変化率を考える
  • 次に 2 点を限りなく近づける
  • その極限として接線の傾きを求める

という手順で微分にたどり着きます。

limh0f(a+h)f(a)h\lim_{h\to0}\frac{f(a+h)-f(a)}{h}

という式は、まさにその考え方をそのまま書いたものです。

この微分の考え方は

  • 物理
  • 経済
  • 工学

など、いろいろな分野で使われています。

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