【オリジナル問題】2曲線が接する条件と面積の求め方

問題

微分積分の分野でよく出題される、2つの曲線が接する条件と、そのグラフに囲まれた面積を求める問題を作りました。 レベル感としては、かなり基礎的な問題に位置すると思います。

問題文

前半の接する条件のパートと、後半の面積計算のパートに分かれています。

(前半) 接する条件から a0a_0 を求める

2つの曲線 y=f(x)y = f(x)y=g(x)y = g(x) がある点 x=tx = t で接するための条件は、以下の2つが同時に成り立つことです。

  1. yy 座標が一致するf(t)=g(t)f(t) = g(t)
  2. 接線の傾きが一致するf(t)=g(t)f'(t) = g'(t)

まず、それぞれの関数を微分します。

f(x)=logxf(x)=1xf(x) = \log x → f'(x) = \frac{1}{x} g(x)=xag(x)=axa1g(x) = x^a → g'(x) = ax^{a-1}

接点の xx 座標を tt と置くと、上記の2つの条件から以下の方程式が立ちます。

logt=ta\log t = t^a \quad \cdots ① 1t=ata1\frac{1}{t} = at^{a-1} \quad \cdots ②

式②の両辺に tt を掛けると、次のようになります。

1=ata1 = at^a

さらに、 a(0)a(\ne 0) で割り、

ta=1at^a = \frac{1}{a} \quad \cdots ③

これを式①に代入します。

logt=1aよって、t=e1a\log t = \frac{1}{a} \quad よって、\quad t = e^{\frac{1}{a}}

さらに、この tt を式③に代入して aa を求めます。

(e1a)a=1ae=1aa=1e(前半の答え)\begin{aligned} \left( e^{\frac{1}{a}} \right)^a &= \frac{1}{a} \\[20pt] e &= \frac{1}{a} \\[20pt] \therefore \quad a &= \frac{1}{e} \quad \cdots (\text{前半の答え}) \end{aligned}

したがって、求める値は a0=1ea_0 = \frac{1}{e} となります。 また、このときの接点の座標は t=eet = e^e となり、接点の yy 座標は log(ee)=e\log(e^e) = e です。つまり、接点は (ee,e)(e^e, e) となります。

(後半) 面積を求める

次に、曲線 y=logxy = \log xy=x1ey = x^{\frac{1}{e}} および xx 軸で囲まれた図形の面積 SS を求めます。 グラフ上ではどうなっているか見てみましょう。

赤が y=logxy = \log x、紫が y=x1ey = x^{\frac{1}{e}}、緑が x=eex = e^{e}を表しています。 ここで、面積を求めるための積分方向について考えてみましょう。

積分方向立式計算の手間
xx 軸方向(縦に切る)S=0eex1edx1eelogxdxS = \int_0^{e^e} x^{\frac{1}{e}} dx - \int_1^{e^e} \log x dxlogx\log x の部分積分が必要で、項も多くなり少し複雑になりそう
yy 軸方向(横に切る)S=0e(eyye)dyS = \int_0^e (e^y - y^e) dy積分範囲が分かれず、さらに指数関数と累乗の基本公式だけで完了するため、簡単そう

したがって、横に切って積分するほうが方針として楽そうです。

積分計算

計算が楽になりそうな yy 軸方向の積分 を採用します。

まず、それぞれの関数を「x=x = \cdots」の形に変形します。

  • y=logxx=eyy = \log x → x = e^y (右側の曲線)
  • y=x1ex=yey = x^{\frac{1}{e}} → x = y^e (左側の曲線)

囲まれている領域の yy の範囲は、xx 軸(y=0y = 0)から、接点の yy 座標(y=ey = e)までです。 したがって、面積 SS は「右の曲線 - 左の曲線」を yy で積分すれば求まります。

S=0e(eyye)dy=[eyye+1e+1]0e=(eeee+1e+1)(e00)=eeeeee+11=ee(1ee+1)1=ee(e+1ee+1)1=eee+11(後半の答え)\begin{aligned} S &= \int_{0}^{e} (e^y - y^{e}) dy \\[20pt] &= \left[ e^y - \frac{y^{e+1}}{e+1} \right]_{0}^{e} \\[20pt] &= \left( e^{e} - \frac{e^{e+1}}{e+1} \right) - \left( e^0 - 0 \right) \\[20pt] &= e^{e} - \frac{e \cdot e^{e}}{e+1} - 1 \\[20pt] &= e^{e} \left( 1 - \frac{e}{e+1} \right) - 1 \\[20pt] &= e^{e} \left( \frac{e+1-e}{e+1} \right) - 1 \\[20pt] &= \frac{e^{e}}{e+1} - 1 \quad \cdots (\text{後半の答え}) \end{aligned}

これが求める面積です。 yy軸方向で積分することで、面倒な部分積分を回避し、スマートに解答を導くことができました。 \\ \\


【積分みくじで計算力を鍛えよう!】 \\ 積分の計算は、式を立てる前の「作戦タイム」が非常に重要です。色々なパターンの問題に触れて、最適なアプローチを瞬時に選べるようにしておきましょう。

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