三角関数とは何か?単位円で sin・cos を理解する
前の記事では、sin や cos が直角三角形の辺の比として定義されることを説明しました。
このように三角比は、三角形の形を表す比として生まれました。
直角三角形が作れない角度ではどうなるのでしょうか。
例えば
- 120°
- 200°
- -30°
のような角度です。
このような角度では、直角三角形をそのまま作ることができません。
それでも数学では、sin や cos を定義することができます。 そのときに登場するのが 単位円 です。
1. 弧度法(ラジアン)
三角関数の話では、角度の単位として 弧度法(ラジアン) を使うのが基本です。
ラジアンは、円の弧の長さと結びついた角度の表し方です。
半径が 1 の円では、
弧の長さ = 角度(ラジアン)
「なぜそんな面倒なことをするのだろう」と感じる人も多いと思います。 でも弧度法は、円の動きと角度がそのまま対応するのが最大の利点です。 今後、微積分や物理の公式を扱うときに式がきれいにまとまりやすくなります。 度数法の 360 は「割り切れやすい」という都合で選ばれた数ですが、 弧度法は長さに基づく、より客観的な基準だと考えると納得しやすいはずです。
- 円を一周すると
- 半周は
- 90°は
つまり、度数法の は弧度法で に対応します。
これ以降は、角度をラジアンで表して説明していきます。
2. 単位円
まず、半径が 1 の円を考えます。
これを 単位円 と呼びます。
円の中心を原点 に置き、 右方向を 軸、上方向を 軸とします。
ここで、原点から円周上の点へ線を引きます。
その線が 軸となす角を とします。
3. sin と cos の新しい意味
単位円を使うと、sin と cos は次のように定義できます。
円周上の点の座標を
とすると
となります。
つまり
sin は縦の座標、cos は横の座標
を表します。
これは直角三角形の定義と一致しています。
なぜなら、単位円では斜辺(半径)が 1 だからです。
例えば
でしたが、斜辺が 1 なので
になります。
4. どんな角度でも定義できる
単位円の良いところは、どんな角度でも sin や cos を定義できることです。
角度を少しずつ大きくしていくと、点は円の上を回っていきます。
例えば
と進むと、点は円を一周します。
このとき
の値も変化していきます。
例えば
このように、角度が変わると座標も変わります。
5. 三角関数になる
ここで重要なことがあります。
角度 を入力すると、
という値が決まります。
つまり
角度 → 値
という対応ができています。
このような対応を数学では 関数 と呼びます。
つまり
は
角度を入力すると値が決まる関数
なのです。
これを 三角関数 と呼びます。
6. 周期的な動き
単位円をぐるっと一周すると、 点は元の場所に戻ります。
つまり
回転すると同じ値になります。
したがって
となります。
このように、同じ形が繰り返される性質を 周期 と呼びます。
7. 三角関数のグラフ
単位円での動きをそのままグラフにしたものが、三角関数のグラフです。 ここでは sin・cos・tan をそれぞれ分けて見ていきます。
7.1 sin のグラフ
sin は「縦の座標」に対応するため、上下に滑らかに波打つ曲線になります。 一周で同じ形が繰り返されるのが特徴です。
7.2 cos のグラフ
cos は「横の座標」に対応します。 sin と同じ形ですが、スタート位置がずれていることが分かります。
7.3 tan のグラフ
tan は を で割った値なので、 まず定義は次の通りです。
になる角度で値が発散します。 そのためグラフには途切れが現れます。
まとめ
三角比はもともと
直角三角形の辺の比
として定義されました。
しかし単位円を使うと、sin や cos は
円周上の点の座標
として理解することができます。
この考え方を使うと、どんな角度でも sin や cos を定義できます。
そして
という対応ができるため、 これらは 三角関数 と呼ばれます。
三角関数は、このあと
- 波の動き
- 振動
- 電磁波
- 物理現象
などを表すときに重要な役割を持つことになります。
さらに数学では、三角関数は 指数関数 とも深く結びついています。 その関係は、他の記事で見ていきます。