sin・cosとは何か?三角比の意味を図から理解する
数学で sin や cos という記号を見たことはありますか。
なんだか難しそうというイメージを持つかもしれません。
実はこれらは、三角形の形を表す 「比」 として生まれたものです。 この記事では、三角比の意味を図から理解していきます。
1. 直角三角形から始まる
まず、次のような直角三角形を考えます。
ここで θ(シータ)は三角形の角度を表す記号です。
角を とし、
- 斜辺
- 底辺
- 高さ
を持つ三角形です。
ここで次の三つの比を考えます。
これらを 三角比 と呼びます。
つまり
sin や cos は三角形の辺の長さの比です。
2. 三角形の大きさは関係ない
ここで重要な性質があります。
同じ角度 を持つ三角形を考えてみます。
直角三角形では、1つの角が直角(90°)なので、もう1つの角が同じなら3つ目の角も自動的に同じになります。 したがって、その2つの三角形は 相似 です。
例えば
- 小さい三角形
- 大きい三角形
を作っても、三角形の形は同じになります。
このとき
- 高さ
- 底辺
- 斜辺
の長さは変わりますが、 辺の比は変わりません。
つまり
の値は常に同じになります。
相似な三角形では、対応する辺がすべて同じ倍率 で伸び縮みします。 例えば
なので
となり、比は変わりません。
このため、sin や cos は
角度だけで決まる値
になります。
3. なぜ三角比が必要だったのか
三角比は、もともと 長さを求めるため に生まれました。
例えば、
- 山の高さ
- 建物の高さ
- 星の位置
などを測るとき、直接長さを測ることはできません。
しかし、角度なら測ることができます。
例えば次のような状況を考えます。
地面から建物の頂上を見上げたとき、 角度が だったとします。
もし建物からの距離が分かっていれば、
なので
と計算できます。
このように三角比は
角度から長さを求める道具
として使われてきました。
4. sin と cos はどう違うのか
sin と cos はどちらも斜辺を基準にした比ですが、 見ている辺が違います。
つまり
- sin → 縦方向の割合
- cos → 横方向の割合
を表しています。
5. 三角比の有名な関係
sin と cos には、次の有名な関係があります。
これは、三角形の辺の関係から自然に出てきます。
直角三角形では
という 三平方の定理(ピタゴラスの定理) が成り立ちます。
ここで斜辺で割ると
となります。
これはそのまま
です。
つまりこの公式は、
三角形の形から自然に生まれた関係
なのです。
6. 角度を用いて長さがわかる例
最後に、実際に1つ計算してみます。
ある建物を見上げたとき、
- 建物までの水平距離が
10m - 見上げる角度が
40°
だったとします。
このとき
なので
となります。
電卓で
なので、
となり、建物の高さはおよそ 8.4m と分かります。
このように三角比を使うと、直接測れない長さでも、
距離と角度から計算して求める
ことができます。
まとめ
sin や cos は、難しい関数というよりも
三角形の辺の長さの比
として生まれたものです。
直角三角形で
と定義されます。
そして同じ角度なら、三角形の大きさが変わっても この比は変わりません。
このシンプルな性質から、三角比は
- 建物の高さ
- 山の高さ
- 星の位置
などを求めるための重要な道具として使われてきました。
ここで定義した三角比は、今後出てくる 正弦定理 や 余弦定理 など、さまざまな公式や考え方の土台になります。 この直角三角形から生まれた考え方は、三角形全体の性質だけでなく、円や波の動き、さらには物理や工学などさまざまな分野にも広がっていきます。
三角比を使って何ができるかは、他の記事で扱っていきます。