なぜ0で割ってはいけないのか?

コラム

数学ではよく

0で割ってはいけない

と教えられます。

電卓で 1÷01 \div 0 を計算しようとしても、エラーになります。

しかし、「なぜいけないのか」は 意外と説明されないままです。

ただのルールなのでしょうか。 それとも、もっと根本的な理由があるのでしょうか。

この記事では、割り算の意味から出発して、 0で割ると数学の中で何が起きてしまうのかを考えてみます。

1. 割り算とは何か

まず、割り算の意味を確認してみます。

たとえば

6÷36 \div 3

はどういう意味でしょうか。

これは

3をいくつ集めると6になるか

という問いです。

実際、

3×2=63 \times 2 = 6

なので、

6÷3=26 \div 3 = 2

になります。

つまり割り算とは、

ある数をかけると元に戻る数を見つけること

です。

この関係は

a÷b=ca \div b = c

なら

b×c=ab \times c = a

と書くことができます。

2. では、0で割るとは?

では次に、次の計算を考えてみます。

6÷06 \div 0

先ほどの意味に従うと、これは

0をいくつ集めると6になるか

という問いになります。

しかし、

0+0+0+0+0 + 0 + 0 + 0 + \dots

といくら足しても、結果は

00

のままです。

つまり、

0をいくら集めても6にはならない

のです。

したがって、

6÷06 \div 0

は答えを持ちません。

3. もう少し深く考える

ここで、少し違う角度から考えてみます。

もし

1÷0=x1 \div 0 = x

と仮定してみましょう。

割り算の定義から、

0×x=10 \times x = 1

が成り立つはずです。

しかし、どんな数 xx をとっても

0×x=00 \times x = 0

です。

つまり

0×x=10 \times x = 1

を満たす数は存在しません。

したがって

1÷01 \div 0

という数も存在できません。

4. もし0で割れたとしたら

ここで、仮に

10\frac{1}{0}

という数が存在すると仮定してみます。

もし

10=a\frac{1}{0} = a

ならば、

1=0a1 = 0a

が成り立つはずです。

しかし

0a=00a = 0

なので、

1=01 = 0

という矛盾が生まれてしまいます。

つまり、

0で割れると、数学の中で矛盾が起きてしまう

のです。

5. 0に近づくと何が起きるか

では、次のような数を考えてみます。

11,10.1,10.01,10.001\frac{1}{1},\quad \frac{1}{0.1},\quad \frac{1}{0.01},\quad \frac{1}{0.001}

計算すると、

1,  10,  100,  10001,\;10,\;100,\;1000

とどんどん大きくなっていきます。

分母が 0に近づくほど、 値は どんどん大きくなる のです。

このため、

1x\frac{1}{x}

xx が0に近づくとき、 値が際限なく大きくなります。

数学では、このような振る舞いを 極限という考え方で扱います。

寄り道

しかし、

0そのものでは割ることはできません。

0に「近づく」ことはできても、 0で割ることはできないのです。

まとめ

割り算とは、

ある数をかけると元に戻る数を見つけること

でした。

しかし0には、

0×x=00 \times x = 0

という性質があります。

どんな数をかけても、 結果は必ず0になってしまいます。

そのため、

0×x=10 \times x = 1

のような式を満たす数は存在しません。

つまり、

0で割ると答えが存在しない。

さらに、もし無理に定義すると 数学の中に矛盾が生まれてしまいます。

だから数学では、

0で割ることはできない

と決められているのです。

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